ネットでの販売が始まる

今日は井の頭線を反対方向へ、つまり渋谷へ。HEADZに納品。これでテルテルポーズをHEADZオンラインショップで買うことができるようになりました。この機会にエクス・ポなどと合わせて買っていただけたらと思います。ちなみにアニーによると、今日はポッキーの日らしい……。そのあとユーロスペースに行って今回自主映画のクロスレビュー企画に関わってくれた大野敦子さんにも何部か渡す。そして佳境感の漂うT監督にも。


神泉から再び井の頭線に乗り込んで池ノ上へ。現代HEIGHTSで今日まで開かれていたTattakaさんの「小さな展示」を観る。Tattakaさんはネットで拝見するかぎりナイーヴな感性を捨てずに持っている人だという印象があったけれど、あらためてこの「小さな展示」をみると、その表現の底には絶望が沈んでいるという感じがする。もはや言葉を発することなどできはしない、というような。でも、それでもやんごとなく書いてしまう、書かざるをえなくなってしまう、というのがあるから何らかの表現をしていると思うのだけど、その時に直截的な苦悩や絶望がわっと前面に出るのではなくて、むしろ透明な上澄みとして現れてくるような、でもその底にはやっぱり絶望があるのだという気がする。その感じが現代HEIGHTSのあの空間にぴたりとはまっていた、という気がして、ほんとはもう少しじっくり眺めていたかった。


Tattakaさんの存在は前々から存じ上げていたが、初めてご挨拶した。ほんとは、僕は文学フリマ疲れのせいか、ちょっと人と会って話をするだけでひどく消耗するようになっていて、だから今日もご挨拶せずに失礼しようかと思ったのだけど、現代HEIGHTSのストロングブレンドを飲んだらこれが美味しくて、元気になったので思いきって話しかけることにした。珈琲の力は偉大だ。珈琲と麦酒はどちらも気を大きくさせる効果があるけれど、やっぱり珈琲は偉大だと思う。Tattakaさんがテルテルポーズを文フリで買ってくれたということは知っていたのだが、今日は「佐々木敦の円盤5Hの記録」が臨場感というか雰囲気が出てるといって評価してくださった。あれは本当に間に合わなくて諦めようという気になりつつあったので、それでもなんとか仕上げてよかった、と思う。というか、時間的にほとんどノーチェックにならざるをえないのに掲載を許可してくださった佐々木さんの懐の広さにも驚いた。ふつうは自分の発言にはいろいろ手を入れたくなるのが人情というものだろうから。しかしあの記事はとにかく物量と雰囲気を感じていただければ幸いです。今日、HEADZの植松くんに「何文字あるんですか?」って訊かれて「50000字だよ」と答えたけど、ほんとうにそうだったか心配になってあとで家に帰ってたしかめたらやっぱり50000字あった。


現代HEIGHTSを出てそのまま歩いて下北沢に出て、気流舎にも何部か届ける予定だったけど何かシリアスな勉強会の最中っぽかったので入れず。そういえば宮沢章夫さんは気流舎での再開発反対運動の勉強会に参加したのだろうか? もしかしたら今日もあの輪の中にいたりしたのかもしれない。退院後、精力的に活動されているようだけども、お身体の具合が心配。といっても、僕は全然直接の面識はないのだけど、宮沢さんにはこれからも長い時間をかけていろいろな仕事をしていただきたいという気がするので、勝手ながら心配してしまう。でも勝手だよなやっぱり。著書を読んだりしていると勝手な親近感を抱いてしまうことがあって困る(向こうも困るだろう)。


渋谷や下北沢のゲームセンターも何軒か覗いてみたら、やっぱり吉祥寺とはずいぶん雰囲気が違っていて驚いた。