新宿→みなとみらい(快快)→中華街

新宿タワレコでぶらり。時間が許せば(あと座れれば)半日くらい試聴してたい感じ。というか今猛烈に音楽に飢えていると思う。実はiPodが故障していて音楽環境に差し障りがあるのもその欲求を増大させているのかも。駅地下のベルクでカレーとビールを2杯。


湘南新宿ラインが不通だったので渋谷に出てそこから東横線でみなとみらいへ。茫洋とした横浜の港湾風景に静かな興奮をおぼえる。そして汽車道のリングドームで横浜トリエンナーレの企画である快快のパフォーマンス……とは知らずにたまたま通りがかったお客さんも結構いたようで、いきなり始まった謎の演劇らしきものに、そういう初見の人たちは「めっちゃおもしろい!」と大ウケしていた。その時点でこのパフォーマンスは大成功だったと思います。内容は、桜木町恋愛模様をケータイとからめて描くいかにも現代っぽい要素にあふれたリアリズム演劇と見せかけて、その実、ランドセルを背負ったのびアニキがうろちょろしたり(笑)、マンガふうの喧嘩シーンを演出したりしたかと思えば、トドメの「五寸釘」による書道パフォーマンス!(爆笑) いやー面白い。全体的にいえば、けっしてリズミカルではなくて間延びしたような場面もあったけれども、それも狙ってやったことなのかどうか、結果的にはみなとみらいのあの壮大なスケールを劇の中に取込むことに成功していた。というか、そもそも「劇の中」という概念が果たしてこのパフォーマンスに適用できるのかどうか? 普通におじさんとか子供とかがそのへんの広場をうろちょろしていて、そういった人たちと、広場を最大限に使って痴話喧嘩を繰り広げる快快の劇団員とのあいだに明確な境界線を引くことはかなり難しい。それが初見の人たちにとっても驚きだったみたいで「なにこれー? 超おもしろい!」という感想に繋がっていたみたいだが、もしかしたら、その「なにこれー? 超おもしろい」と言って笑ってるその声でさえも、このパフォーマンスの一部かもしれないし、実際に一部として機能しているのだ。ものすごく風通しがよくて、まさに「壁」は取っ払われていた。それに実はそんな面白さの影に隠れて、こっそりせつない劇でした。ともすれば声が海風にさらわれて小雨によってかき消される中で、この話はせつない。ところで某批評家がいらっしゃっていたので、テルテルポーズをお渡しする。


その後は元町まで歩いて中華街へ。おそらく人生で初めてこの界隈を時間をかけて歩き回ったことで、ついに中華街のおおよその地図を頭の中に叩き込むことに成功する。大体の値段の相場もわかった。中華街の面白さは、単に作られたテーマパークとかではなくて、実際に生活する人たちの街として形成されているところだなあということを、路地裏なんかに入ると痛感する。そして悩んだ末に入ったお店が大当たり! 安くて美味しくて、さらに店員のおじさんがめっちゃ面白いという。ここはぜひまた来よう!